アルバイトからそのままパスタ専門店をチェーン展開する企業へ就職。スタッフとして経験を積んだ後、店長、エリアマネージャーとして活躍する。家族との時間を大切にしたいと思い、13年目にして転職を決意。2018年9月に入職をし、現在は早稲田大学理工キャンパスの食堂にて調理やスタッフ育成、運営管理に携わる。プライベートでは小学生と中学生の息子を持つパパ。休日には家族にパスタを振る舞うなど、公私共に料理を楽しんでいる。
前職は、関東と関西を中心に展開するパスタ専門店で、店長兼エリアマネージャーとして働いていました。13年勤めましたが、入社から忙しさはずっと変わらなくて。土日は基本出勤でしたし、休みも週1日取れるかどうか。0時過ぎまで働くことも少なくなかったです。当時長男が小学6年生だったのですが、ふと子どもの成長をなかなか傍で見てこられなかった自分に気づいて。もっと子どもと一緒にいる時間を作りたいと思い、土日休みの仕事へ転職することにしました。飲食の仕事は好きだったのですが基本平日休みなので、職種にはこだわらないようにしていたんです。そんなときに、偶然大学生協の求人を見つけて。たまに土曜出勤もありますが、基本は土日休み。勤務時間も規則的だったので、ここなら家庭との両立もできると思い、迷わず入職を決めました。
現在は店長補佐のポジションで、管理業務をメインに担当しています。具体的には、食材の発注や日に20~30人が勤務するパートさんへの指示出し、調理のフォローなどです。「今日はこのメニューが○食出そう」という予想をして発注や仕込みをするのですが、これがなかなか難しい。1日2000人近くが来店するので、ちょっとした計算ミスが大きな損失につながります。売り切れも廃棄も極力出ないよう、毎日売上をチェックしながら調整することが大切です。ほかにも、店長と相談しつつ定期的にメニューや運営方法の改善もします。マニュアルはあるものの運営は店舗ごとに任されているので、積極的にトライ&エラーを繰り返して店作りをできるのが面白いです。
現場に裁量を持たせる分、Eラーニングや集合研修など、知識やスキルを身につけるための教育体制は手厚く整っています。コスト管理やスタッフ育成、接客スキルなど、店長になるために必要なこと全てを体系的に学べるんです。飲食経験13年の私も改めて勉強し直すことで、今まで感覚でやってきたことが知識としてちゃんと腹落ちする部分も多くて。日々スキルが磨かれていると実感できています。
大学生協が大切にするのは、学生の声を取り入れた運営をし、大学生活を豊かにすること。だから、「たった一人のリクエストを実現する」なんてことも珍しくありません。例えば、トンカツはまとめて揚げたほうが効率は良いけれど、「揚げたてを食べたい」という声に応えて専用コーナーを設置し、注文が入ってから一食ずつ作っています。季節限定だったスンドゥブも、「時期に関わらず食べたい」という声で定番メニューにしました。正直売れないだろうなと思うメニューでも、リクエストがあればいったん実現するようにしています。“利益”が最優先ではないからこそ果敢に挑戦できるのは、大学生協ならではです。調理場レイアウトや注文から提供までの動線を見直すなど、メニュー以外の改善も定期的にしています。今の学生って真面目な子が多くて、午後の授業を良い席で聞くために、13時前には教室へ向かうんです。1日2000人近くがお昼に集中するので、いかに提供スピードを上げて混雑を感じさせないようにするかが大切。小さな工夫を積み重ねた結果、学生や先生たちがお昼の時間を楽しそうに過ごしている様子を見るときが一番嬉しいです。
大学生協に入職して一番大きく変わったのは、働き方です。土日は基本的にお休みですし、平日も19時ごろには帰宅できるので、家族との時間もたくさん取れるようになりました。休みのときは私が手料理を振る舞うことも多く、妻や子どもたちも喜んでいます。買い物や旅行など、休みの日に一緒に出かけられるようになったことも大きな変化です。正月は10連休だったのですが、これだけ長い連休を取れたのも社会人になって初めて。子どもたちを連れて、妻と私それぞれの実家にも帰りました。緊急の電話がかかってくることもなく、心からゆっくりできました。大学生協に入らなければ、こんな生活も手に入らなかったかもしれません。